「不動産契約書」と聞いただけで、頭を抱えてしまいませんか?
字が細かく文章は長くて、どこをどう読んだらよいかわからないし、専門用語がたくさん出てきて理解が難しいですよね。
こんなワケの分からない文章、いきなり見せられて理解しろって無理ですよね。
この記事では、「不動産契約書」について
- どんな項目があるのか
- その項目は何が書いてあるのか
を説明します。
この記事を読むと、契約となったときに困らないよう、事前に知識が付くはずです。

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不動産契約書の存在意義
重要事項の説明を終わらせるといよいよ契約です。ここで、売主または貸主の登場となります。
不動産契約書はなぜ取り交わすのか。何の意味があるのかをまとめました。まずは、下の3つを頭に入れておきましょう。「契約は約束事なんだ」と頭の片隅に入れておけば、契約書の文章が理解できるはずです。
- 「売主・買主」「貸主・借主」との約束事が記載されている書類のこと
- 契約成立後のトラブルを防止するために交わす書類である
- 双方で契約書の内容を確認し合い、間違いがなければ約束をした証拠として記名・押印をする
登場人物をおさえよう
まずは「甲・乙・丙とはだれを指しているのか」を理解しましょう。
「甲・乙・丙」は契約書で登場人物を示す単なる記号です。日本では昔から続いてる独特の文化になります。
契約書の作成や契約時の読み上げが楽、間違えがない理由で使用されています。売主の名前を間違えたら大変なことになりますよね。
今日では、パソコンで契約書を作成していますので、「売主」「買主」「貸主」「借主」「業者」などが使用されていることもあります。
- 甲→売主または貸主
- 乙→買主または借主
- 丙→不動産屋
と覚えておきましょう。
不動産契約書の記載事項
画像をご覧ください。一般的な売買契約書の1ページ目です。
何が書いてあるのか1つ1つ見ていきましょう。

出典:公益社団法人 全国宅地建物取引業協会連合会
不動産の表示
物件の所有者・権利の種類・土地建物の大きさ・構造が、原則謄本に沿って記載します。重説と同じ内容です。
代金と支払い方法
ここも重説と内容がかぶります。売買代金や賃料などの額と支払い方法を記載します。消費税があれば、それも記載します。
売買の場合は、契約時に支払う手付金(頭金)途中で支払う中間金、引き渡し時に支払う残金に分けるケースが多いです。いつまでに支払うのかを日付で記載します。
引き渡し・所有権移転または入居の日
売買の場合、売主から買主へ登記の移転をもって引き渡しを完了させます。賃貸借は入居日になります。それを記載します。
契約違反の取り扱い
売買のケース
契約に違反した場合の違約金をあらかじめ決めておきます。相場は売買代金の10%です。
賃貸借のケース
賃貸借契約でも契約違反の条項・違約金はあります。
2年間の契約の期間が定められていることがほとんどです。しかし、都合で2年を経過しなくても引っ越しが必要になることもありますよね。トラブルや契約違反になってしまうことも。
そのようなことに備えて、「退去の申し入れ期間」の記載があります。退去何日前までに、貸主に連絡をして下さい。という条項になります。
物件を見学するときに、確認しておくことも必要です。
家賃滞納・同居人数・ペット・物件の用途も契約違反にならないよう気を付けましょう。

手付金・中間金の扱いについて
手付金は民法で定められています。不動産契約においては主に以下の種類があります。
- 損害賠償額としての手付(物件が燃えたなど損害が生じてしまった)
- 違約手付(契約書に違反した)
- 解約手付(契約をやめたい)
特に定めがない場合は、解約手付と推定されます。
解約手付の場合、売主は手付金の2倍を返金して、買主は手付金を放棄すれば、契約を解除できるのです。そして、双方納得の上での解約なので、別途損害賠償はできません。
中間金の支払いは、「買主が契約に向けて進めている状態」にあります。この段階で売主が手付による解除をすると、買主の行為がムダになりますよね。したがって、売主側は手付による解除は出来なくなります。
手付解除の場合の期日と金額を記載します。金額は前項と同様がほとんどです。
「自分が契約に向けて進めていなくても、相手方が進めていれば手付による解除はできない。」と民法で定められていますので、それも記載します。
ただし、双方で具体的な期日や金額がある場合はそれを記載します。
住宅ローン使用について
「融資利用特約」といいます。住宅ローンをどの銀行からいくら借りるのかを記載します。
契約時に、住宅ローンを利用許可が銀行からおりていないことがあります。
その場合には、「融資利用特約期日」を設けて、この日付までに住宅ローンの融資が通らなかったら、契約を無条件で解約できると定めます。
特約事項
特別な約束事を記載します。例として
- 物件の引き渡し状状態について(現状のまま・リフォームしてなど)
- 売主・貸主が契約不適合責任を負うべき範囲と期間(壊れた個所の修理)
- 地震、洪水など不可抗力による損害の負担(危険負担)
- 賃貸借の場合の敷金の取り扱いについて
- 売買の場合の固定資産税の清算(固定資産税は1年分売主が前払いです。所有権移転後は買主が負担しますので、日割りで計算して清算します。)
- 「~~しなかったら、契約は不成立になります」という条件
「契約不適合責任」は2020年4月以前には「瑕疵担保責任」といわれていました。
物件を引き渡した後、契約に合わない物件だった場合はどうするのか、約束事を記載します。契約不適合責任には以下の種類があります。
- 物件の種類・品質・数量が違う(建物に欠陥があった・日が当たらない・景観がに障害がある・心理的欠陥(自殺があった)・㎡の数字が違うなど)
- 移転した権利が違う(所有権以外の権利があった(実は賃貸物件だった))
- 権利の一部を移転しない(物件の一部が他人のものだった)
買主・借主は契約をキチンと果たしてもらうよう請求できたり、契約を解除・代金の減額・損害賠償の請求ができます。
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まとめ
不動産の契約は、民法で定められている内容ばかりでしたね。宅建士の資格試験でもかなり苦労しました。
「契約は約束事」です。約束を破ったら一大事ですよね。
そのようなことにならないために、分からないことはどんどん質問をしましょう。
売主・貸主の方は、自分の物件についてよく知っておくことが大事だと思います。たまに事実を伝えないお客様もいらっしゃいますが、絶対にダメです。
契約した物件がいわゆる事故物件(殺人があった)ことが後から分かったことがありました。営業が大変な目にあっていました。
時間がかかっても構いません。内容をしっかり確認し納得してから、記名・押印をしましょう。